資格勉強にモチベーションは非常に重要です。資格勉強初心者の頃だった私の場合、とにかく勉強することだけに集中していてモチベーション管理というのは発想自体ありませんでした。
そのため、感情の浮き沈みが激しく、何かあるたびに受験をあきらめたくなったり、周りに当たってしまったりすることもありました。
それでも、毎日深夜まで勉強し、休日前は徹夜して勉強することも。資格取得には合格するまでに目安となる勉強時間をクリアするため、かなり無茶苦茶なスケジュールを組んでいたのです。
そんなやり方を続けていると、ある日、参考書を見るのも嫌になってしまいました。そして、サボってしまったことに罪悪感を覚える負のスパイラルに陥ってしまったのです。
資格勉強にはモチベーションがないと続けられない
私がこの経験で学んだことは、頑張って勉強しようとしても、続けられなければ意味がないということです。そして、資格勉強を続けるためにはモチベーションを維持して、試験当日まで精神状態を安定させなければなりません。
高校受験や大学受験だと周りも一緒に勉強している同級生がいますので、お互い刺激しあいながら受験当日までたどり着くことができるでしょう。受験だとモチベーションを維持しようと考えなくても、ある程度周囲の温度感につられて頑張れたのです。そのような状況だと途中で挫折してあきらめるということは少ないでしょう。
一方、資格勉強は誰かに強要されて受験するわけではありません。「仕事で必要!」という感じでスキルアップのために思い立ちスタートするので、一人での戦いが始まるのです。
スタートも自由で、終わりも自由。これが資格勉強です。
例えば、中小企業診断士のように受験資格がなく、実務年数も一切不要の資格の場合、資格を取りたいと思ったら受験生になれます。
ただ「仕事が忙しいから来年にしよう」と思って諦めてしまうハードルが、高校・大学受験に比べて非常に低くなるのです。
そのためにはモチベーションの管理=モチベーション・マネジメントが重要になってきます。
資格勉強ではどうしてモチベーション・やる気が保てなくなるのか
目標達成後のイメージができていない
資格を取得できれば何ができるのか、取得後のイメージができていないとモチベーション・やる気が保てない一つの要因でしょう。行動する意義が保てなくなるからです。
人によっては資格勉強が自分の意思ではなく、仕事のために会社かにいわれて仕方なくという人もいるかもしれません。なんとなくの目的がない状況ではストレスになる恐れがあります。
アメリカの心理学者ロックによる目標設定理論によると、自発的に立てた目標のほうが、強制的に立てられた目標よりもモチベーションが保ちやすく、結果も出しやすいそうです。
また、目標が具体的であるほうが同じくモチベーションを保てるといわれています。
きっかけは会社からの強制でも、資格を取得するうえで自分にとってどのようなメリットがあるのか、具体的に想像してみるといいでしょう。
忙しくて勉強時間を確保できない
毎日仕事で忙しくて勉強時間を確保できない日が続くとモチベーションが低下してしまいます。目標達成のために計画を立てていても、実現できなければ自己嫌悪に陥ってしまうからです。
仕事だけではなく家事や育児のある家庭だと、勉強に専念することが難しいでしょう。日々の生活に追われて疲労が蓄積してしまうと、気力がわかず諦めてしまう可能性があります。
勉強の時間が作れないと合格に向けた努力もできません。力が身についたと実感しにくいため、モチベーションは下がる一方となってしまいます。
勉強のための環境ではない
勉強のための環境づくりができていないと、モチベーションを落とす原因になります。人は周囲の状況に流されやすい生き物だからです。仕事から帰って机の上にスマホがあったり、テレビがつけっぱなしであったりした場合、気が散ってしまうのは目に見えています。資格勉強のための情熱が削がれ、娯楽へ意識が向き、気がついたら何時間も経過していたとう事態になりかねません。
周囲の人が毎日楽しく遊び、飲み会に出かけていることを知ってしまうと、その影響を受け自分も遊びたいと思ってしまうでしょう。
モチベーションを維持する方法とは
資格勉強においてモチベーションを維持することは非常に重要です。そこでモチベーションを維持する方法を紹介します。
怠けられない環境を作る
ひとつめは怠けられない環境を作ることです。具体的には家族や友人、会社の同僚などに資格取得に挑戦すると宣言すること。宣言した以上、合格しないと示しがつかないので勉強を頑張るという状況が生まれます。そのため、資格勉強をする上でのモチベーションとなります。
また、宣言したことで周囲が資格勉強を応援してくれるはずなので、ぜひ宣言してみましょう。
割り切りも大事
どうしてもモチベーションが上がらないときは、一度勉強から離れてみましょう。そのうち気持ちがリフレッシュでき、勉強していないことに対する不安が湧いてきて、また勉強を始められるという効果があります。
もちろん、デメリットもあり、資格勉強から離れていると学んだことを忘れてしまうかもしれません。最悪、そのまま戻ってこられないことも考えられるので、自身の性格や状況を考えるようにしましょう。
やりきった自分をイメージする
試験に合格して資格をゲットできた姿、資格を取得したことで希望の部署に転籍・転職、収入アップができたとイメージすることで、モチベーションが上がり資格勉強を継続しやすくなります。
勉強の積み重ねを実感する
毎日、勉強した時間や量を記録しておけば、今日はこれだけ勉強できたとやりがいや達成感が生まれてきます。また、振り返りを記録することで「今日はいつもより頑張れた」「今日はイマイチだったから明日頑張ろう」と、毎日の勉強のペースメーカーになってくれるメリットもあります。自己肯定感は成功体験の積み重ねです。記録を残すことで積み重ねを認識できます。
自分に合った難易度と量で取り組む
資格勉強においても基礎は大切です。着実に基礎を積み上げることで合格への第一歩となります。難易度は自分の実力よりもちょっと難しいくらいがいいでしょう。
テキストは基礎から応用の順に取り組み、問題集は時間内でギリギリ解ける難易度の問題に取り組むのが効果的です。
自分への評価は減点方式ではなく加点方式
自分のダメな部分にフォーカスするのではなく、できたこと・よかったことを見つけるようにしましょう。前向きな気持ちになることで、やる気が湧いてきます。
できなかった問題よりもできた問題がどれだけあったのか、自分の反省点をポジティブに考えることを試してみてください。
自分のいいところを見つけたら肯定すると、心は少し満たされていきます。自然に思考自体も前向きに変化していくでしょう。
一人が難しいなら周囲を巻き込もう
一人で勉強するのが難しいのであれば一緒に勉強できる仲間を作りましょう。会社の同僚と勉強会を開催してみたり、資格勉強の進捗を報告しあうグループを作ったりするのもいいでしょう。
身近に同じ資格の勉強をしている人がいなければSNSを利用するのも一つの手段です。
ハッシュタグや検索機能を使って同志を見つけ、フォローして投稿のチェックを日課にするとモチベーションアップにつながります。
毎日少しずつでもいいから勉強する
モチベーションがどうしても上がらないときは、1ページでもいいので勉強するようにします。問題を1問解いてみる、参考書を1ページだけ読むだけでも結構です。
その日、その時間、勉強を始めるのが面倒に感じやすくなるため、始めてしまうと1ページのつもりがもう1ページと勉強を進めることができることを、作業興奮といいます。
作業興奮を引き出すコツ
資格勉強のやる気が出ないときは作業興奮を利用してモチベーションを上げましょう。
とりあえず5秒やってみる
仕事や家事、育児などの合間を縫って勉強しようとすると、疲れからやる気がでないことがあるでしょう。そんな時はとりあえず5秒だけ勉強してみましょう。気持ちよりも先にまず体や手を動かすのです。
人間の脳は現状維持を好み理屈より感情を優先するため、勉強を始めようとすると面倒くさいと感じてしまいます。そんな時は手を動かしてやる気を引き出すアセチルコリンの分泌を促しましょう。
気が進まなくてもとりあえず5秒やってみるとスイッチが切り替わり「さあやるか」という気持ちになれるはずです。
5~15分の短い目標時間からスタートする
「5秒だけでもとりあえずやってみる」が実践できたら、次は5~15分だけと短い目標時間を設定し、勉強してみるといいでしょう。
個人差はありますが、作業興奮は5~10分ほどで発生し始めます。資格勉強に対するハードルを下げることで始めやすくなりますし、作業興奮が現れると「もう少しだけ進めよう」という気持ちが湧いてくるでしょう。
また、やる気が起きにくい場合は15分勉強して5分休憩するというサイクルで勉強するのもおすすめです。勉強を途中でやめると脳は続きが気になってきます。これはツァイガルニク効果という方法です。
散歩をしてやる気スイッチをオン
やる気が出ない日は散歩や運動で体を動かすと効果的。おすすめは朝の散歩です。朝日を浴びることでドーパミンやリラックス効果のあるセロトニンが分泌されます。
散歩から帰宅するころには勉強へのやる気につながるでしょう。
勉強のモチベーションが上がらない日が続くと、自分自身が嫌になってくるでしょう。明るい未来を目指して始めたはずなのに、自分を嫌いになってしまっては本末転倒です。
勉強へのモチベーションを上げるための仕組み作りが大切になってきます。今回紹介した方法を上手に活用して資格勉強を頑張ってみましょう。